v.o.c - column vol.11
Vapor On Curry (v.o.c) - column vol.11
Vapor On Curry (v.o.c) の不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十一回
〜 POPの定義 〜
トレンドとかヒットであるとか、とりたててインパクトの無い流行が続いているように感じる。そう思ってしまうのは、ただ単に自分が歳をとったからという理由で一向に構わないのだが、そんな中でPOPというカテゴリーもまた年々影が薄くなっているように感じる。それというのも、結局今までなんでもかんでもPOPと形容してきたせいで、すっかり意味のわからないものになってしまったからなのではないかと思う次第である。しかしPOPといわれて思い浮かべるイメージが、まったくのアメーバのようになってしまったわけでもないと思うので、ここで自分なりにPOPのイメージに近づくことができれば、それなりに意味のあることなのかもしれない。
結論からいってしまうと、まずイケてるというようなことを現すHIPという言葉があった。そしてPOPとはHIPと同意であるのだが、HIPに認定される前段階のもの、次にHIPになるものであり、次々と中身が入れ替え可能なものがPOPなのではないだろうか。日本文化でいうと、「顔ちっちゃい」は不動のHIP認定であるが、「茶髪」はPOPといったところか。といってしまうとHIPの定義が必要になってしまうが、歴代のHIPを例に考えてみると、キリスト教支配の強い地域における禅思想のように、ある文脈においてOUTなものが日常の中に入り込んだときに新奇に見えるというのがひとつの基準であるように思う。だから必然的にひんしゅくを買うものであり、好奇の目で歓迎されるものであるといえる。
そこで現在のPOPに立ち返ってみると、もっぱら歓迎を現す意で用いられているように思えるPOPという言い方であるが、今一度ひんしゅくの濃度に目を向けてみると、どれだけPOPであるか歓迎の度合いが立ち上がってくるのではないだろうか。POPの本質的な部分とはひんしゅくの方にあるのだと思う。
おやつの時間です。
2019年9月15日、メルボルンのLONG HOURSの来日松本公演にVapor On Curryが出演!
『LONG HOURS JAPAN TOUR 2019 松本公演』
9月15日(日)松本 Give me little more.(長野県松本市中央3-11-7)
出演:LONG HOURS(from Australia)、Vapor On Curry、LOCAL REFRESH、おしゃべりアート
開場 5:30pm/開演 6:00pm
料金 2,000円(予約/当日とも)*ドリンク代別
予約:会場(give.melittlemore@gmail.com)
詳細はコチラ→ (http://givemelittlemore.blogspot.com/2019/08/2019915long-hours-japan-tour-2019.html)
Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:
:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。さらに今夏にはクミン・ウェイヴなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバムも発表したばかり。
https://soundcloud.com/fourleafmusic/sa-1 (v.o.c - track for casiotone compilation vol.3)