v.o.c - column vol.12

Vapor On Curry - column vol.12

 

Vapor On Curry不定期コラム「長野ぶらぶら節」第十二回

 

〜 好きなのか嫌いなのか、なんなのか。 〜

 

かつて憧れていたというか、ほとんど執着していたミュージシャン、アーティストへの関心が薄れてしまうのはなぜだろう。それは決して自分の成長とは関係なく、自分勝手なことなのだが、聞き飽きたということで説明できない理由があると思う。

 

好き/面白い、嫌い/つまらない、は同じことで、好きの反対は無関心だと言うのもわかるし、好き/面白い、嫌い/つまらない、の反転を繰り返しながら自分の認知が変わっていくのか?それともそのつど別の角度から関心を持って見ているだけなのか?また、「面白い」は一体何に反応しているのだろうか?

 

わかるから面白いというのも、わかるようでピンとこないところもあり、わからないから興味が湧くこともあるが、わからないからどうでもいいこともあり、自分には手も足も出ないことは、どうでもいいと思わないことには無限に興味が湧いてしまいそうだ。しかし、自分に手も足も出なくても、どうでもよくないことが確かにあって、そこであがける人で、私はありたい。

 

きっと持続していて、どのくらいの距離感で測るかによって、いろいろ興味が持続していく。文字で考えるから、思考の流れとしてこういうことになってしまうのだが、単に疲れているとか、放漫になってしまって、畏怖の念が薄れてきているのが大きいのかもしれない。

 

そもそも(つい「そもそも」を持ち出す悪い癖)、自分の好き/面白いが誰かの影響で、自分が感じる好き/面白いとはなんの関係も無いということは、よくある。自分の記憶が実は別人の記憶だったみたいなSFだけでなく、モテたくてとか。

 

しかし、せっかく興味を持ったのなら、それを生活に取り入れない手はない。もし、関心がなくなってしまっても、それが日常にあることによって、なぜ関心を持ったのかという問いに思いを馳せること、反省することも含め、時間の一部だから。

 

執着するほど好きになるとか、多分に依存的な性格が影響しているんじゃないかと思い当たるふしもあり、諦めるしかない。例えば、 自分が凄いと思っているものが、他人から見たらつまらないものだとしても、それはそれで理想的なんじゃないのかと思う。

  

f:id:nami_to_kami:20200131080300j:plain 散歩道。

p.s.  Vapor On Curryのアルバム(新しい方)は直したい箇所が出てきてしまったので廃盤にしました!リニューアルして出しなおす予定で、今作ってます。京都の喫茶ゆすらご、金沢のKapo給湯室でのライブのときの音の方がクミンウェーブだったのではないかと思う今日この頃です。

 
 
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Vapor On Curry(ヴェイパー・オン・カリー)プロフィール:

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:90年代よりヒップホップ、テクノからの影響を受けトラック制作を始め、並行してスラッシュ・パンク・バンドのsynchro9、ポスト・ロック、ポスト・ジャズ・グループの暮シノ手錠などでも主にベースプレイヤーとして活動し、ソロ転向後は長野の裏番的トラック・メーカーとして、チープでオールドスクールな電子ラウンジからグリッチ&ダビーでダウンテンポなトラック・メイキング、さらにはメロディアスでキャッチーな胸きゅん&甘酢サウンドで暗躍する「犀南のJay Dee」と呼ばれるローファイ・トラック・メーカーのVapor On Curry(カレーの湯気)。自身によるレーベルTHOUSAND TUNEも運営。また、長野のネオンホール月報での定期コラムや、松本のイベントnami to kamiでのコラムを不定期で執筆。aotoaoレーベルからリリースされた『casiotone compilation vol.3』においてヒットを飛ばし、2018年末には、これまでのリリース作品を独自にまとめたベスト盤ともいえる『Acceptance』をリリース。続けて2019年夏にはクミン・ウェイヴでトラッピーなトラック・メイキングに加えてスモーキーな独特のフロウスタイルによる自身のラップによる新境地を開拓した新作アルバム『Vapor On Curry』(通称:プリン盤)を発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=zsG0p2V5maY